【認知症】介護認定のポイント|介護認定1が下りなかったときの対策

うちの母は元気そうな普通のお婆ちゃんに見えるけど、頭の中は凄い認知症。

人前ではまともに戻るし、病院の先生の前でもピシっとしている。

でも周りの状況に合わせているだけで、理解はしていない。

そんな認知症の母なんだけど、今度の介護認定でどこまで認知症が分かってもらえるか心配・・・。

現役の介護認定調査員である筆者が以下のことを解説します。

  • 【認知症】介護認定調査のポイント
  • 介護認定には主治医の力も借りる
  • 希望の介護認定が下りなかったときの対策

自己紹介

  • 老健で介護福祉士、有料老人ホームの相談員、居宅のケアマネ
  • 介護業界は18年目。そのうち、ケアマネ歴は11年目
  • 持っている資格『介護福祉士』『ケアマネ』『社会福祉士』
  • 月に3件ぐらい介護認定調査の調査員をやっています

【認知症】介護認定のポイント

家の中ではチンプンカンプンなのに、外ではまともで、とても認知症があるとは思えない人っていますよね。

これら人は介護認定調査でも上手く対応するので、何も対策をしなければ元気な高齢者として認定調査が終わってしまいます。

そうならないために次のポイントに注意して介護認定調査を受けるようにしましょう。

認知症を前もって伝える

  • 調査が始まる前に認知症を伝える
  • 認知症であることを知っていれば、調査のやり方も違う


ぶっちゃげ20分くらい調査をやっていれば、『どうもおかしい』『この人は認知症が進んでるのでは??』と調査員は気付きます。

どちらにしろ認知症を伝えるのだから、調査開始の段階から認知症を疑って調査を行ってもらった方が得策です。

ちなみに私の場合、本人の部屋に案内されるまでに家族に『認知症の有無』を確認してから、調査の始め方を変えます。

調査員
調査員

はじめまして、調査員の〇〇です。

さっきまで何をやっていたんですか?

おじいちゃん
おじいちゃん

テレビを見ていた。

~30分後~

調査員
調査員

私が家に来たときは何をしていましたか?

おじいちゃん
おじいちゃん

風呂に入っていた。

こんな風に自然な感じで短期記憶(30分くらい前の記憶があるか)の確認もできるのです。

介護認定調査に立ち会う

  • 調査員の前ではまともを演じる
  • 調査員は『見たこと』『聞いたこと』しか書けない
調査員
調査員

この人、言っていることがあやふやで怪しい・・・

と思っていたとしても、本人以外の情報がなければそれを書くしかありせん。

根拠もなく、勝手に改善するわけにはいかないのです。

だから介護認定調査に立ち会って真実を伝えるのは必須です。

調査中は黙っていてよいので、本人がどのように対応するかを見ていてください。

  • 答えれずに、家族に答えさせようとする
  • 笑ってごまかす

こんなところも介護認定調査員は見ています。

介護認定調査員に認知症状を伝える

本人に聞き取り調査が終わったら、事実を調査員に伝えましょう。

家族
家族

一人で薬飲むって言ったけど、実際は家族が管理しています。

調査員
調査員

やっぱり??

家族
家族

テレビのリモコンを毎日のように紛失して困っている

こんな感じで本人が言っていることが事実と違うのであれば、どんどん調査員に伝えましょう。

もちろん本人の前で伝えにくいことは、場所を変えたり電話で伝えるなどしましょう。

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介護認定には主治医の力も借りる

介護認定調査と同じくらい大事なモノが主治医意見書です。

主治医意見書でも認知症についてしっかり書いてもらうことで、適切な介護認定が下ります。

逆に主治医意見書で認知症について全く触れていない、認知症は全くないと書かれていれば介護認定調査の内容すらも疑われることになります。

主治医に認知症状を伝える

  • 病院の先生に前ではビシッとしている
  • 実際の状況を伝える

認定調査のときと同じように、病院の先生の前では認知症をみせてくれません。

認知症という病名を伝えるのではなく、認知症によって引き起こされる『困り事』を先生に伝えましょう。

家族
家族

今はこうしているけど、実際は違うんですよ。

お医者さん
お医者さん

そうなんですね、意見書に書いておきますね。

認知症の専門医

  • 認知症のことを専門的に書いてもらう
  • 意見書作成のためだけに受診するのもアリ

認知症の専門医であれば内科医や外科医より詳しく書いてもらえます。

健康優良者でかかりつけ医という存在がいないのであれば、認知症の専門医に書いてもらうのもよいでしょう。

具体的には『物忘れ外来』とか『精神科』とかですね。

年に1回でも定期的に経過をみてもらっていれば主治医意見書もスムーズに書いてもらえるでしょう。

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介護認定1が下りなかったときの対策

認定調査や主治医意見書の対策を行ったとしても、希望に反した認定結果が下りることはあります。

その場合は『不服申し立て』か『区分変更』を行うことで介護認定のやり直しができます。

ただし、また同じ結果になるかもしれないし、認定が重くなるかもしれない、もっと軽く出てしまうこともあります。

やり直しを行う前に、認知症状と介護認定の目安を知っておきましょう。

認知症状と介護認定の目安

  • 杖も使わないくらい元気な人
  • 病院に通わないくらい健康優良者

これくらい元気な人は、どれくらいの認知症があればどれくらいの介護認定をもっているのでしょうか?

私の経験上の生活イメージをまとめました。

介護認定認知症と生活の状況
要支援2影響なし
要介護1なんとか留守番は出来る。訪問者の対応をしても忘れていることもある。
要介護2徘徊、注意散漫、理解力が低下。分かっているようで全然わかっていない。
要介護3徘徊、大声、外に出たがり、目が離させない。
要介護4もう何がなんだか分かっていない。人格が崩壊している。
要介護5体が動くのであれば、認知症だけで要介護5はなれない
資料作成:週刊介護マガジン

いくら認知症がひどくて問題行動がすごくても、体が動くのであれば要介護4までです(経験上)。

不服申し立て

  • 認定結果を取り消してもらえる
  • 取り消してどうする?非効率

認定結果に納得がいかない場合は、何故このような認定結果が下りたのかを市町村の介護保険担当に説明を行ってもらいましょう。

その説明に納得がいかない場合は『不服申し立て』を行い、認定結果を取り消してもらうことができます。

ただし取り消すだけの手続きです。希望の認定に変更してくれるわけではありません。

2カ月ぐらい時間がかかるし、そのあとも結局介護申請をやらなければ認定は下りません。

ぶっちゃげ不服申し立てというのは非効率な方法であるということがリアルな話です。

区分変更

認定のやり直しとして現実的な方法は区分変更申請です。

区分変更申請は状態が大きく変わったときに有効期間前に認定の見直しでをする方法ですが、認定結果に納得がいかない場合もに使うことがあります。

区分変更申請であれば約1カ月で認定結果が下りるし、手続きも簡略化できます。

繰り返しになりますが、介護認定をやり直したとしても、結果が確実に変わるわけではありません。

担当のケアマネは利用者の認定結果をおおよそ予想しており、ほとんどの場合予想内の結果が下りるのです。

だから家族が希望する認定結果がどうであれ、この場面で区分変更を行うのはなのです。

まとめ

  • 認定調査には必ず立ち会って、認知症の症状を伝える
  • 主治医意見書にも認知症のことをしっかり書いてもらう
  • 認定結果に納得ときはいかない区分変更申請を行う

『体は元気だけど認知症が激しい人』

私が担当しているケースでは要介護1以上をキープしていますが、要支援2以下が下りると生活がかなり厳しくなりますよね。

難しいケースですが、そうならないために認定調査の準備はしっかりやっておきましょう。

認定調査についてさらに詳しく知りたい人はコチラをどうぞ。

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