介護士になるには、何から始めればよいのかな?
こんにちは、ケアマネの麦マネです。
私は介護業界で18年ほど働いているので、仲間が増えるのは嬉しいばかりです。
ところで介護士として働くのであれば、まずは資格を取りにいくことが重要です。
2020年現在では無資格でも働けますが、どうやら2021介護報酬改定で介護の仕事をするには資格が必要になりそうです。
介護士になるには、何から始めればよいのか迷っている人の道しるべになる記事を書きました。
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介護士になるには、資格を取ることから始める
介護の資格といっても『介護職員初任者研修』『介護福祉士』『ケアマネージャー』、けっこう色々あります。
未経験者が始めに取る資格は『 介護職員初任者研修 』です。
2020現在、無資格でも介護施設で働くことはできます。
しかし2021介護報酬改定で『認知症介護基礎研修』の受講が必要となり、介護士が無資格で働くことができなくなります。
とはいえ、今でも介護士として働いているほとんどの人は、何かしらの資格をもっています。
それは本人のやる気であったり、面接を受ける最低条件、会社の教育などが関与しています。
介護職員初任者研修
一言でいえば、介護士としての入門資格です。
技術的な介護のやり方や知識を学ぶことになります。
勤める企業でも『最低でも初任者研修だけは!』と考える企業が多く、面接でも有利になるのは事実です。
私、試験とかはちょっと…
言い方は悪いですが、試験なんてないようなもの。
受講料を払って授業を聞けば、もらえるような資格です。
具体的には、自宅学習と通学で130時間のカリキュラムを終わらせ、簡単な筆記試験だけです。
受講料は6~15万円程度かかります。
そんないい加減な資格ですが、介護士として働くのであれば、必須な資格です。
介護福祉士実務者研修
一言でいえば、介護福祉士の受験資格をもらうための研修です。
初任者研修に比べ、専門性が高い内容で、痰吸引など医療的なことも学ぶことになります。
介護福祉士を目指す人には必須な研修ですが、未経験者に今すぐに必要な研修とは言えません。
- 介護の基礎が分からないと、専門的な技術も理解できない
- 介護福祉士受験には3年の経験が必要
- だから焦らなくてよい
介護の仕事に慣れたら、スキルアップで介護福祉士実務者研修を目指しましょう。
介護士の職場は大きくわけて3つ
職場は介護施設だけじゃないの?
介護士が働く職場大きくわけて3つです。
- 介護施設
- 病院
- 居宅サービス
小さな会社より規模が大きい会社で働くことをお勧めします。
理由は最新の設備や研修体制なども整っているので、多くのことを学べるからです。
介護施設
未経験者にはおススメの職場は『 介護施設 』です。
介護施設とは、いわゆる老人ホームです。詳しくいえば種類はたくさんありますが、特養や有料老人ホームなどが有名です。
身体介護(体を抱えたり)はもちろんですが、認知症の対応など、業務はたくさん。
なかでも夜勤を経験することは、特に重要。
昼間とは違う、夜の入所者の顔が見れますよ。
介護施設の介護はチームプレイです。
介護士、看護師、栄養士、リハビリ、ケアマネ、さまざまな職種で入所者を支えます。
困ったときはヘルプできる仲間もいるし、教えてもらうこともできます。
だから未経験者は介護施設で働き始めることを強調しておススメします。
病院
病院での介護士は看護助手と呼ばれることが多いです。
介護施設と同じように、排泄、入浴、食事介助などの身体介助を行います。
病院なのでレクレーションなどは弱めです。
医療的なケアで勉強にはなりますが、未経験者が働く場所としては難易度が高いと言えます。
居宅サービス
自宅に住む人が受ける介護サービスです。
具体的にはデイサービスや訪問介護などが有名です。
介護施設は1日を通して介護するのに対して、居宅サービスは時間を決めて介護をします。
ほとんどが昼間の介護なので、小さいお子さんがいる人には働きやすいといえます。
職場から求められる介護士のスキル
立派な介護士になるには、オムツ交換、食事介助、入浴介助ができること!
それは大昔からやってきた介護で、できて当たり前。
現代は+αで『 ICT 』と『 生産性が高い技術 』を求められます。
ICT
難しく聞こえますが、別にエンジニアになる必要はありません。
機械を使える技術が必要です。
例えばこんな感じ。
10年前 | 今 | |
---|---|---|
記録 | 手書き | タブレット |
移乗介助 | 人の力 | 一部ロボット |
会議 | 対面 | テレビ電話 |
面会 | 対面 | テレビ電話 |
介護士の人材不足が深刻化しているため、厚生労働省もICTの活用に補助金を出しているほどです。
『私、機械とか苦手だから…』なんて言ってられません。
介護業界もそんな時代に入っているのです。
特にコロナ禍で介護の業務のやり方も大きく見直されています。
生産性が高い介護
一昔前までは手厚い介護で利用者の取り合い合戦でした。
時代は変わり、今はスタッフの取り合い合戦です。
それくらい介護士が不足しています。
少ないスタッフ数で求められるものは、生産性が高い介護です。
生産性が高い介護ってなに?
手厚い介護とは反対のことだと考えます。
- 一人で10人を見守れる力
- 効率よく送迎を回る力
- 二人同時に入浴できる介助力
あくまで一例ですが、効率よく介護をできる力を求められます。
もう手厚い介護でお客さんを集める時代は終わりました。
受け皿が少ないので、よっぽど評判が悪くない限り、お客さんは勝手に集まります。
だけど深刻な人手不足で介護士はなかなか集まりません。
だから少ないスタッフ数で生産性が高い介護をやってくれる介護士は重宝されると言えます。
『私はお客様だぞ!』といまだに思っている利用者側には、いい加減に気付いてもらいたいところです。
介護士になるには、心がけておいた方がよいこと
- 介護士の給料は安い
- 誰でも簡単にできる仕事ではない
- 女性の職場感が根強い
- 定年まで介護士として働けるか
夢、生活のため、介護士を目指す人にも色んな想いがあるでしょう。
だけど決して良いことばかりではありません。
介護士になるには、心がけておいたほうがよいこと4つを紹介します。
介護士の給料は安い
厚生労働省の発表によると介護士の平均給与は約30万円(手税引前)と言われています。
これを聞いてほとんどの介護職員が口を揃えていいます。
そんなにもらっていないよ。
この計算方法は賞与まで含めて計算しているので単純に毎月の給料ではありませんが、それでも税引前30万円ももらっていない介護士が多いようです。
それでも『処遇改善加算』や『特定処遇改善加算』などの対策で、10年前と比べたら介護士の給料は高くなったことは確かな事実です。
それでも全産業の平均以下であることは事実です。
誰でも簡単にできる仕事ではない
介護って抱えたり、風呂に入れるだけだろ?
そんなの誰でもできるさ。
こんな風に思って介護業界に入ってくる人は少なからずいます。
指摘の通り、誰だってできる仕事かもしれません。資格にしても初任者研修は特別な勉強の必要もありません。
だけど、そう考えているほとんどの人は途中退場していきます。
楽勝だと思っていたけど、意外に体力が必要だったり、ストレスがかかったり、その割には給料が高いわけでもない。
それが現実です。
『介護が好きで介護士になった』
『仕事をやっているうちに介護が好きになった』
動機はどうであれ、介護士の仕事は好きでないと続けることができません。
女性の職場感が根強い
男性の介護士が増えたけど、全体の1割にも満たしません。
女性が多い職場では何が起きますか?
- 派閥
- 裏での影口
- 同調を求める声
大人の世界で派閥なんてあるの?と驚くかもしれませんが、普通にあります。
私は怖くて、怯えています(゚Д゚;)ブルブル
定年まで介護士として働けるか
若いうちは無理が効きます。
夜勤を終わったあとも徹夜で遊んだり、簡単に抱えたり。
でもそれをいつまで出来ますか?
30代を超えたあたりから結構つらくなってきます。
コルセットをガチガチに巻いて、栄養ドリンクを飲みながら働く人もいます。
ちなみに私は27歳の頃にケアマネに逃げました。
介護士の将来性
IT関連のように将来性があるかと言われたら『…。』ですが、これから30年以上は需要が途切れることはありません。
2050年までは右肩上がりの需要
- 65歳以上の人口は2040年まで増える
- 75歳以上の人口は2050年まで増える
介護が必要な人たちが2050年までは増えっぱなしです。
反対に、65歳以下の働き手はこれから更に減っていきます。
数字だけ見ても、介護士の需要が伸びることは疑いの余地がありません。
介護士の仕事は失くならない
『ロボットに仕事を取られる』
そんな声も他の産業では聞かれます。
介護業界でもICT化となり、役割の見直しがされています。
ただし介護は人と人との関りで繋がっています。
『コンピューターに任せた方が早いよ』という意見もあるでしょうが、それはお年寄りには通じない話です。
人間を扱う以上は、ロボットの機械的な感情にだけ任せることは倫理的に難しい話です。
ドラエモンぐらいのAIが出てこない限り、介護士の仕事はなくなりません。
まとめ
- 介護士になるには、介護職員初任者研修は必須だが、取得は簡単
- 職場は『1.介護施設』『2.居宅サービス』『3.病院』の順番でおススメ
- ICTを使える知識と生産性が高い介護技術が求められる
- 介護士は花形職業ではない
- 将来的にも需要が伸び、失業の心配はない
未経験者が介護士になるには、介護職員初任者研修をうけましょう!
初任者研修まで終わっていれば、良い職場を見つけるだけです。
規模が大きい施設であれば、最新の設備を使え、スキルアップの体勢、福利厚生も整っています。
給与の面では処遇改善加算や特定処遇改善加算を取得しているかが肝です。
加算の点でも、加算の取得率も高いのは規模が大きい施設です。
転職先の情報を欲しい人は、転職エージェントにアドバイスをもらいましょう。