自宅で介護をしていると『トイレ問題』は必ず付いて回ります。
身内とはいえ、排泄に関する介護は出来れば避けたいものです。
そしてデリケートなことだけに、人の手を借りたくないのは介護される側の本音です。
『トイレ関係の介護用品は?』『介護保険を使いたい』『どこに売ってある?』
この記事は自宅で介護を始める人に向けて以下の事を解説します。
- トイレ関連の介護用品 便利グッズ6選
- 介護保険レンタルと購入用品
- ケアマネが教えるトイレ介護用品の買い方
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トイレ関連の介護用品 便利グッズ6選
繰り返しになりますが家族介護でのトイレ問題はとてもデリケートです。
子供にやらせたくない
下の世話・・・
『強い父母でありたい』『強い父母であってほしい』という想いがあるはずなのに、排泄介助という行為ではモロに弱点をさらけだす行為なのです。
お互いの想いは『トイレの自立』と『介助を楽にする方法』です。
この章では両者の想いを叶えるトイレ介護用品を紹介します。
ポータブルトイレ
ポータブルトイレとは自室などに置ける簡易トイレのことで、介護用品の定番です。
ポータブルトイレを使うことで『トイレまでの移動』という動作を省略できます。
使い方
ベッド横に置くことで移乗(お尻を移動する動作)を最小限にすることが出来ます。
足元がおぼつかない、夜だけポータブルトイレを使う人も少なくありません。
ポータブルトイレに向いている人
- 自分でポータブルトイレに移乗できる人
- 眠剤の影響で足元がおぼつかない人
ポータブルトイレは『トイレに間に合わない』『転倒が多い』これらの対策道具です。
よってポータブルトイレを使う人はある程度体が動いて、認知症もひどくない人です。
介護度で言えば、要支援2、要介護1~2程度の人と言えます。
ポータブルトイレに向いていない人
- ポータブルトイレの掃除をしてくれる家族がいない人
- 一人でトイレに移れない人
どちらにしろトイレに移る介助が必要なら、最初からトイレで介助を行った方が掃除や匂いの面で介護者は楽です。
又、ポータブルトイレの排泄物はこまめに破棄する必要がありますが、高齢者がトイレまで捨てにいくのはとても大変です。
掃除を行ってくれる家族がいないと室内の衛生をも保てず、悪臭が漂います。
寝たきりや認知症が多い要介護3以上の人はポータブルトイレをわざわざ使う必要性が少ないと言えます。
手すり
手すりは立ち上がり・ズボンの上げ下げでも片手で体を支えれます。
ところが手すりがないトイレでは掴まる所がペーパーホルダーぐらいしかなく、手すり代わりには脆弱です。
※今の新しい家にはトイレに手すりが最初から備え付けられていることが多いです。
使い方
- 縦の手すりは立ち上がりの補助
- 横の手すりは体勢の補助
立ち上がりには縦手すりの方が腕に力が入りやすいのです。
グッと力が入りますよ。
横手すりは移動や体を支える手すりと言えます。
手すりを使うために必要の物
- 筋力
- 広いトイレ空間
介助が必要ない人は、手すりを使える筋力が必要です。
介助が必要な人は、介助者も入れるトイレの空間スペースが必要です。
欲を言えば車椅子でも入れるスペースがあれば尚良い。
向いている人
- 1人で排泄ができる人
一般的に自宅のトイレはそんなに広くありません。
手すりの取り付けを検討するようであれば、介助スペースの有無も確認することをお勧めします。
滑り止め付きトイレマット
一般的にトイレマットを敷く目的はいわゆる床へのこぼれを阻止です。
汚れたら洗濯するだけなのでとても楽ですよね。
ところが一般的なトイレマットは『滑る』、『ズレる』ため高齢者の転倒の原因となります。
滑り止めがついていないトイレマットであれば敷かない方が安全です。
というわけで、高齢者の自宅には『滑り止め付きトイレマット』をお勧めします。
使い方
トイレ用とポータブルトイレ用ではトイレマットの形が違いますが、どちらも敷くだけです。
汚染が気になったら洗うだけなので2枚~3枚持っていれば不自由しないでしょう。
紙パンツ(リハビリパンツ)
ここでいう紙パンツは乳幼児が履いている紙パンツの高齢者サイズのことです。
紙パンツのメリット
尿汚染があってもズボンや、布団まで漏れる確率が減ります。
洗濯物が減ることは介護負担の軽減となります。
紙パンツの使い方
当たり前ですが、1回使い捨てです。
ところが、干して使う高齢者がいますので注意して見守ってください。
尿取りパットを中に敷けば紙パンツの節約となります。
だけど認知症の人は尿取りパットをトイレに流すことがあり、下水道の業者を呼ぶのは『介護あるある』です。
気を付けること
一番の注意点は紙パンツを使い始めるときの声かけです。
もしもあなたが明日から紙パンツを履くように言われたらどうでしょうか?とても傷つきませんか?
例えトイレの失敗をしていても、『紙パンツ』というのは受け入れがたいモノなのです。
そこに家族から勧められたら、羞恥心や自尊心などで余計に拒否反応を示すことがあります。
そんな時はデイサービスのスタッフなどに声をかけてもらうと本人はすんなり受け入れるかもしれませんよ。
仕方ない、あんたが言うなら履いてあげるよ(プライドを守る自分)
消臭剤
ポータブルトイレを使っている間は部屋の中に尿臭がします。
しかしポータブルトイレを片づけてしまったら匂いはすぐに消えます。
ということはやはりポータブルトイレが部屋全体を尿臭の原因と言えます。
対策として
- ポータブルトイレの清掃と消臭
- お香や消臭剤で部屋全体の尿臭を消す
在宅介護が終わるまではこれでやり過ごすしかありません。
ポータブルトイレの清掃と消臭
- こまめな尿破棄と清掃
- 消臭剤で匂いを抑える
様々な消臭剤が販売されており、年々進化を見せてくれます。
それでも匂いを完全に消すことは難しいです。
それもそのハズ。ポータブルトイレがそこにあるからです。
ポータブルトイレがそこにある限り、匂いを完全に除去することは難しいですね。
しかし消臭剤を使う、使わないでは全く効果は違います。
お香や消臭剤で部屋全体の尿臭を消す
- 高齢者本人や介護者が苦にならない匂い
- 手入れが簡単
置き型の消臭剤でもお香でもファブリーズでもかまいません。
互いに苦にならない方法を取ることをお勧めします。
併せて、先に述べたトイレマットも定期的に洗濯することをお勧めします。
防水シーツ
防水シーツを敷いておくと、敷布団やマットレスまでの浸水を防いでくれます。
布団まで浸水したら布団(マットレス)を運ぶ、干す、それでも臭う・・・
もしものために布団シーツの下に敷いておきましょう。
リハビリパンツも履いているから大丈夫でしょ。
確かにリハビリパンツやパットを履いていたら危険度は減ります。
しかし尿量が多い、体を動かしてパンツがズレるなど様々な危険要因はあります。
防水シーツ1枚敷くだけで、とんでもない重労働を回避することができます。
ちなみに老人ホームでは防水シーツを敷くのはかなりの常識です。
介護のプロでも仕事を増やさないための必須道具なのです。
介護保険レンタルと購入用品
介護保険では『肌に直接つく物』のレンタルはありません。
トイレ関係や入浴関係では『肌に直接つく』『感染予防』という理由からレンタルではなく購入が基本です。
ではトイレ関係の介護用品で、介護保険が使える物、使えない物を確認していきましょう。
トイレ関係でレンタルできる介護用品
残念ながらレンタル品では手すりしかありません。
上の図はトイレのための手すりです。
天井から床までの『突っ張り棒』など、様々なレンタル品があります。
手すりの種類にもよりますが1カ月に300~400円で手すりをレンタルできます(1割負担の場合)。
しかし、私(ケアマネ)の助言としてはレンタルより取り付け工事をお勧めします。
理由は以下の通りです
- レンタル品は大がかりな物が多く、スペースを取る
- 壁さえあれば取り付け工事はできる
- 長期的にみればレンタルは高くなる
介護保険で取り付け工事を行えば3,000~6,000円で設置できます。
約1年で元は取れるし、300~400円の浮いた分を他の介護サービスで使うこともできます(例:デイサービスを増やすなど)。
介護保険で購入できるトイレ関係の介護用品
トイレ関係で介護保険を使って購入できる介護用品はポータブルトイレです。
- 2,000円~4,000円(1割負担)
- 担当ケアマネがいればすぐに業者へ手配してくれる
見た目や座面の温度調整などの機能に合わせて値段は高くなります。
ところが介護保険という公的なお金を使うため、多機能のポータブルトイレは審査が通りにくいのが現実です。
でも2,000~4,000円のスタンダードなタイプであっても使い心地は何の問題もありません。
ちなみに上の写真はよく販売されるスタンダードなタイプです。
介護保険を使えないトイレ関係の介護用品
トイレ関連の介護用品としては『手すり』と『ポータブルトイレ』以外の物は介護保険を使うことができません。
だから先ほど述べた便利グッズは販売価格で購入するしかありません。
では便利グッズをどこで買えるのかを次の章で解説していきます。
ケアマネが教えるトイレ介護用品の買い方
介護保険が使えない介護用品はどこで買えるか知っていますか?
私も利用者の家族から尋ねられることが多いので、参考にしてみてください。
もちろん、ポータブルトイレも介護保険を使わなければグレードが高いモノを購入できますので、よければ見てみてください。
福祉用具のレンタル業者
ベッドなどの福祉用具をレンタルしている人はレンタル業者に尋ねてもよいでしょう。
彼ら(レンタル業者)は『介〇隊』とか『ささ〇』などのカタログをいつも片手に持っており、福祉用具については詳しく知っています。
デメリット
- 高い
- 納品が遅い
レンタル業者は購入品に関しては①紹介して、②注文して、③届ける、仲介業者の役割です。
仲介が間に入っている分、料金も高く納品も遅いのです。
メリット
- 物はしっかりしている(らしい)
- アドバイスを聞ける
レンタル業者はいつも口癖のように言います。
ホームセンターが安いですがモノが違います。
確かにそうかもしれないし、そうでないかもしれません。
金額に関してはアドバイスという手数料も入った金額なので、高いか安いかは価値観によります。
ホームセンター
ホームセンターにも介護用品は揃っています。
とはいえ、介護用品の専門店ではないので品数は少ないのは仕方ありません。
だけど、トイレ介助に役立つ便利グッズ6選の
- ポータブルトイレ
- 紙パンツ
- 消臭剤
- 防水シーツ
これらは種類は少ないけど販売している店が多いです。
(レンタル)手すりと滑り止め付きトイレマットに関しては見たことがありません。
販売していたらゴメンナサイ
メリット
- 現物をみて購入できる
- すぐに手に入る
- 安い(業者曰くそれだけの価値らしい)
デメリット
- 種類が少ない
業者が言う『質』に関しては私はあまり共感できませんが、種類が少ないのは選択肢の損失です。
このポータブルトイレよりあのポータブルトイレが使いやすいけど、この店にはこれしか扱っていないのか・・・なんてことはよく思います。
しかし、今すぐ必要なときに手に入るのは介護者にとって心強いですね。
インターネット
Amazon、楽天はもちろですが、介護用品の専門店もインターネットにはあります。
デメリット
- 現物を確認できない
- 実店舗より手元に届くのが遅い
メリット
- 種類はレンタル業者よりも豊富
- その場でポチっと購入できる
- 安い
今すぐに使うようであれば実店舗が早いのですが、時間に余裕があれば商品が豊富で安いインターネットを使うのも良いでしょう。
又、トイレ関連に限らず、車椅子や食事用品、シルバーカーなど沢山の介護用品が用意されています。
インターネットであれば便利な介護用品に出会えるかも!?
まとめ
『トイレ問題』というのは介護される本人も介護する家族にとってもデリケートな問題ですが、避けては通れないのも事実です。
介護用品を上手に使えばお互いに気が楽になることは間違いありません。
そして家族の介護負担も大きく減らすことができます。
介護は先が見えずにいつまで続くか分かりません。
介護用品という道具を使って、少しでも気楽に介護を行いませんか?