介護業界は「人手不足」と言われ続けていますが、実際の転職市場はどうなっているのでしょうか?
私自身、特養・老健・有料といった施設を経験し、さらに周囲の介護士仲間の転職相談にも関わってきましたが、ここ数年で求人の出方や働き方のトレンドに明らかな変化を感じています。
この記事では、最新の求人倍率や人手不足の実態、新しい働き方の広がり、そして今後の見通しについて整理します。
介護業界の求人倍率
介護職の求人倍率は、厚生労働省のデータでも常に高水準です。
一般職種の有効求人倍率が1倍前後で推移しているのに対し、介護職は 3倍以上 になることも珍しくありません。
現場での実感
私がハローワークや転職サイトをのぞくと、常に多数の介護求人が掲載されています。
特に地方では「どの施設も人が足りない」という状況で、応募すればほぼ面接につながるレベルです。
逆に言えば、「選ばなければすぐに仕事が見つかる」という意味でもあります。
ポイント
人手不足と採用ニーズの高まり
介護業界が人手不足に陥っている理由は明確です。
- 高齢化の加速
要介護認定者数は年々増加。施設も在宅もサービス需要は拡大しています。 - 離職率の高さ
身体的・精神的負担が大きく、他職種への転職も多い。 - 若手人材の確保難
「介護は大変」というイメージから若者が集まりにくい。
私の実感
以前勤めていた特養では、新人が入っても1年以内に辞めるケースが多発しました。
そのたびに人員不足で既存職員に負担がかかり、さらに辞める人が出る…という悪循環がありました。
そのため施設は「少しでも長く働いてくれる人材を確保したい」と、採用条件を緩めたり待遇改善を打ち出すケースが増えています。
注目される新しい働き方(訪問介護・小規模多機能など)
ここ数年で特に目立つのは、従来型の特養・老健・有料だけでなく、新しいスタイルの職場が注目されていることです。
訪問介護(ホームヘルパー)
- 利用者宅に訪問し、生活援助や身体介護を行う
- 夜勤なしで働ける求人が多い
- 1対1で利用者にじっくり関われる
私の知人は訪問介護に転職し、「利用者さんとじっくり向き合えるのがやりがい」と話していました。
小規模多機能型居宅介護
- 「通い」「訪問」「泊まり」を組み合わせたサービス
- 少人数制でアットホーム
- 夜勤ありのところもあるが、日勤専従で働ける職場も多い
その他の新しい形
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
- リハビリ特化型デイサービス
これらの職場は、従来の大規模施設とは違う働き方が可能で、「夜勤は無理だけど介護を続けたい」人や「利用者とじっくり関わりたい」人に選ばれています。
今後の転職市場の見通し
介護業界の転職市場は、今後もしばらく「売り手市場」が続くと予想されます。
見通しのポイント
- 求人数は増加傾向:団塊の世代が後期高齢者に入る2025年問題で需要はさらに拡大
- 待遇改善の動き:処遇改善加算や処遇改善支援補助金による給与底上げ
- 多様な働き方の広がり:夜勤なし・短時間・派遣など選択肢が増加
注意点
- 求人が多いからといってすべてが良い職場ではない
- ブラック施設を避けるためには、情報収集と比較が欠かせない
私自身も「転職サイトを経由して条件交渉をしたら、給与が2万円上がった」という経験があります。市場が活発な今こそ、介護士にとってはチャンスでもあります。
まとめ
介護士の転職市場は、依然として売り手市場です。
求人倍率は高く、人手不足から採用ニーズは右肩上がり。
加えて、訪問介護や小規模多機能といった新しい働き方も広がっています。
ただし求人が多いからといって油断は禁物。
ブラック施設を避け、待遇改善の波をうまく活用することが大切です。
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