ブラック施設を見分ける5つのチェックリスト

介護業界で働いていると、必ず耳にするのが「ブラック施設」という言葉です。

「休みが取れない」「残業が当たり前」「人手不足で毎日ギリギリ」

──こうした環境に身を置いたことがある介護士は少なくありません。

私自身もかつて、残業が常態化している施設で働いた経験があります。

夜勤明けでも「人が足りないから」と日勤に入らされ、休みを返上したこともありました。

そのときは体調を崩し、もう一度転職を決意しました。

介護の仕事は本来、人の生活を支えるやりがいのある仕事です。

だからこそ、ブラックな職場に振り回されるのは本当にもったいないこと。

この記事では、求人票を見る段階から面接、口コミ確認、そして入職後に気づける「ブラック施設のサイン」まで、5つのチェックリストを紹介します。

麦マネ(Twitter)

介護業界で22年目、41歳。ONE PIECEを愛する。
〈 資格 〉
・主任ケアマネ
・社会福祉士
・介護福祉士

介護の仕事と資格について情報発信。

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求人情報から見抜くポイント

求人票は施設の「顔」です。

ここに小さなサインが隠れています。

1. 給与が極端に高すぎる

「未経験でも月収30万円以上!」「夜勤なしで高収入!」といった求人は要注意です。

一見魅力的に見えますが、裏を返せば「よほど人が集まらない=離職率が高い」可能性が高いです。

実際、私も「給与高め」の求人に応募したことがありましたが、入職後は休日返上の連勤。

結局、割に合わないと感じて短期間で退職しました。

2. 休日数が曖昧

「月6日以上休み」「シフト制」など、年間休日の明記がない求人は注意が必要です。

ホワイトな施設であれば「年間休日110日」「完全週休2日制」など、具体的な数字を出してきます。

一般的な目安としては、年間休日110日以上が安心ラインです。

3. 仕事内容が広すぎる

「介護業務全般」としか書かれていない求人は危険です。

実際には介護業務に加え、清掃・洗濯・看護補助など、なんでもやらされるケースがあります。

逆に信頼できる施設は「入浴・排泄・食事介助を中心とした業務」と具体的に書いています。

求人票を見るときは、給与・休日・仕事内容をセットで確認しましょう。

面接で見極める質問例

求人票だけでは分からない部分は、面接で見抜けます。

私が実際に使ってきた質問と、その答え方のチェックポイントを紹介します。

質問例

1.「年間休日は何日ですか?」

→ 明確な数字で答えてくれるか。曖昧に濁す施設は要注意。

2.「残業は平均でどれくらいありますか?」

 → 「ほとんどありません」と言いながら実際は毎日残業、ということもありました。面接官が「月平均○時間」と答えられる施設は信頼度が高いです。

3.「夜勤は1人で何名を担当しますか?」
 → 一般的には1人で20〜30名が目安ですが、40名以上を1人で見ると言われたら危険信号。

4.「人材の定着率はどうですか?」
 → 「ここ数年は退職者がほとんどいません」と具体的に話してくれる施設は安心。

5.「研修やフォロー体制はどうなっていますか?」
 → ブラック施設は「研修?特にありません」と平気で言います。

体験談

ある面接で「残業はありますか?」と聞いたとき、「まぁ皆さん頑張ってますから」と笑って答えられたことがあります。

結果、実際に入職したら毎日2時間以上の残業…。

面接で濁されたら、その時点で「危険」と判断すべきだと学びました。

面接は「こちらも施設を選ぶ場」と考えて、しっかり質問しましょう。

離職率や口コミの確認方法

ブラック施設を見抜くのに、口コミや離職率のチェックは欠かせません。

離職率を調べる

  • ハローワークの求人票には「過去3年間の退職者数」が載っている場合があります。
  • 求人数に対して退職者数が多い場合は要注意です。

口コミサイトを活用

  • カイゴジョブ:現役介護士の口コミが豊富
  • みん評:施設の働きやすさに関する意見が多い
  • Indeed:求人と同時に社員レビューも読める

SNSでの検索

私は以前、応募予定の施設名をX(旧Twitter)で検索したことがあります。

すると「毎日残業」「夜勤が地獄」といった現場の声が複数出てきました。

結果的にその施設への応募をやめて正解でした。

口コミは100%信じる必要はありませんが、同じ内容が複数出ている場合は危険度が高いと考えましょう。

実際に働いて感じるサイン

もし入職してしまった後にブラックだと気づく場合もあります。

そのときにチェックすべきサインをまとめました。

ブラックの典型的なサイン

  • 休憩時間がほとんど取れない
  • 残業が常態化しているのに手当が支給されない
  • 新人にいきなり夜勤を任せる
  • 有給が全く使えない
  • 上司や先輩がパワハラ気味
  • 職員の入れ替わりが激しい
  • 記録が紙ばかりで残業時間が増える
  • 夜勤体制が1人で30名以上を見るワンオペ
  • シフト希望が全く通らない
  • 施設長や管理者の入れ替わりが異常に多い

体験談

私が以前いた施設では、新人でも1か月で夜勤を任されました。

サポート体制もなく、結果的に新人が次々と辞めていく…。

そのとき「この施設は長く働く場所ではない」と痛感しました。

入職後にブラックのサインを感じたら、無理に我慢せず次の転職を検討することも必要です。

まとめ

介護業界にはやりがいのある職場も多い一方で、残念ながらブラック施設も存在します。

大切なのは、以下の5ステップでチェックすることです。

  1. 求人票の内容(給与・休日・仕事内容)
  2. 面接での回答(曖昧さがないか)
  3. 離職率や口コミの確認
  4. 実際に働いてみてのサイン
  5. 違和感を感じたら早めに転職を検討すること

無理にブラック施設で働き続ける必要はありません。

安心して働ける環境を選ぶことが、介護士として長く続ける一番の近道です

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