こんにちわ、麦マネです。
まだ記憶に新しい『川崎老人ホーム連続殺人事件』を覚えていますか?
認知症の親を介護施設に入所させていると、こんな悩みをもつことがあります。
『最近、介護施設からケガの連絡が多い。』
『腕にアザも多く見かける。』
『いくら認知症でも、こんなにケガするか?』
どこかスッキリしない気持ちでも、
認知症だから…確証もないし…
介護施設には伝えにくいものです。
隠しカメラをつけて、事実を確認するか…。
でも、隠しカメラを安易に使えば、互いの関係性が壊れることもあります。
そこで、有料老人ホーム相談員の経験がある筆者が、以下のことについて解説します。
- 隠しカメラは最後の手段、その前にやること
- 介護施設、虐待はある
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隠しカメラは最後の手段、その前にやること
隠しカメラはインターネットで簡単に手に入るし、設置も簡単ですが、もしも存在がバレれば、逆に介護施設から不信感を持たれます。
そしてケガの原因が偶然の事故であれば、なおさら調子が悪くなるのは言うまでもありません。
というわけで、ある程度の確証を持てて、あとは証拠を撮るための最終手段として使いましょう。
具体的には以下の行動が必要です。
- 面会の回数を増やす
- 介護施設の中に仲間をつくる
- 新しい介護施設をさがす
面会の回数を増やす
施設に入所させてはいるものの、預けっぱなしはよくありません。
介護施設に足を運んで、家族も積極的に※介護に関わることです。
その過程の中で見えてくるものがあります。
※ここでいう『介護に関わる』というのは抱えたりの介護をすることではなく、家族の役割をやることです。
状態を観察する
面会時は入所者の状態を観察しましょう。
いつもと様子がおかしい、と思ったらスタッフに伝えましょう。
伝えるというより、『釘を刺しておく』が正解かもしれません。
母の背中が赤くなっているので、様子を見ておいてください。
職員を観察する
このスタッフの接遇は大丈夫…?
こんなスタッフがいたら観察してください。
家族の前では良い顔をしているかもしれないので、他の入所者に対する対応も観察しましょう。
どんなに素晴らしいリンゴ畑(介護施設)だとしても、一つくらいは腐ったリンゴ(スタッフ)が混ざっているものです。
介護施設の中に仲間をつくる
介護施設に足を運んでいると、次第に顔見知りの仲間が増えます。
せっかく知り合いになれたので、良いことも悪いことも情報交換をしてみましょう。
もしかして、同じ想いを持っている人もいるかもしれませんよ。
他の入所者の家族
面会に行く時間は、みなさんおおむね決まっているので、顔見知りになる家族ができます。
お互いの情報交換は有効な手段です。
特に『家族懇親会』などがあれば他の家族が思っている不満を聞けるチャンスです。
あなたの親の入所者仲間
今日の夜勤は○○さんらしいコソコソ
コール押しにくいねコソコソ
入所者の方の情報収集力も半端ありません。
そりゃそうです。
今夜一晩の介護を頼む人です。
苦手なスタッフには当たりたくですよね。
こんな風に一番リアルな声が聞こえることもありますよ。
新しい介護施設をさがす
そもそも隠しカメラを思い付いた時点で、介護施設に不信感を抱いているのでは?
考えれば考えるほど不信感は溜まっていく…。
虐待があっても、なくても、その介護施設に親を預けておくことに抵抗があるのでしょう。
隠しカメラを探すより、新しい介護施設を探した方がよいかもしれません。
とはいえ、引っ越す前に一泡吹かせたいものです。
やられたら、やり返す!
倍返しだ!
介護施設、虐待はある
介護従事者である私が言うのもなんですが、介護施設に虐待はあります。
だけど、介護施設のメンバー全員が虐待をしているわけではなく、その中で働いている極一部のスタッフが大なり小なりの虐待をやっているのです。
それも誰にも分からないようにコッソリと…。
虐待の報告は氷山の一角
要介護施設従事者等による虐待 | 虐待判断件数 | 相談・通報件数 |
平成30年 | 621件 | 2,187件 |
平成29年 | 510件 | 1,898件 |
これは虐待を疑われて通報された件数と虐待と判断された件数です。
虐待通報のほとんどが、家族などによる通報や内部スタッフからの密告です。
本来、虐待を発見した介護施設は市町村に報告する義務があるのですが、おかしいですね?
『大きな虐待』『小さな虐待』なんて区切りはないのですが、大きな問題にでもならない限り、厳重注意などで内部で処理されます。
当然、施設スタッフの誰もが気付いていない虐待もあります。
特にこんなキーワードでは虐待が発見しにくいです。
- 夜勤の時間
- 認知症
- 個室
- 心理的虐待
- ときどき
ちなみにこちらは虐待の種類です。
身体的虐待 | 暴力的行為によって身体に傷やアザ、痛みを与える行為や外部との接触を意図的、継続的に遮断する行為 |
心理的虐待 | 脅しや侮辱などの言葉や態度、無視、嫌がらせ等によって精神的に苦痛を与えること |
性的虐待 | 本人が同意していない、性的な行為やその強要 |
経済的虐待 | 本人の合意なしに財産や金銭を使用し、本人が希望する金銭の使用を理由なく制限すること |
介護放棄(ネグレクト) | 必要な介護サービスの利用を妨げる、世話をしない等により、高齢者の生活環境や身体的・精神的状態を悪化させること |
実は、私もこんな苦いエピソードがあります。
私が有料老人ホームで相談員をやっていた頃に、こんなことがありました。
私は出勤すると施設内を巡回し、何事もなく夜勤が終わったかを確認していました。
そしたら、ある入所者の部屋のナースコールが鳴らないように、セロハンテープで簡易的に工作してあるのを発見。
夜勤者に確認したところ、
『用もないのにコールを押される』
『他の利用者からうるさいと苦情』
『テープを剥がすのを忘れていた』
とスタッフ。
とはいえ、如何なる理由があったとしても、これは介護放棄です。
しかしそのスタッフが言っていることも理解できます。
結局、スタッフを厳重注意。
昼間の活動の見直し、病院の先生に薬の相談。
だけど、市町村には報告しませんでした。
言っても何も変わらないことが分かっていたので。
このようにいくら市町村に報告義務があっても、大きな事故にでもならない限り、施設側が虐待の報告をすることは少ないのです。
だから虐待の報告は氷山の一角です。
こんな介護施設は注意
- 普段から言葉使いが荒い
- 夜勤スタッフが少ない
- スタッフが、おばちゃんばかり
なぜこのような介護施設は虐待が起こりやすいのか見ていきましょう。
普段から言葉使いが荒い
言葉使いが荒いスタッフは、介護が雑です。
それは『地域性』とか『方言』などの問題ではありません。
方言が混ざっていても、後尾に『です』『ます』をつければ、年上に対する言葉になります。
ある介護スタッフが、利用者さんを目の前に『この人』と呼んでいるときは空いた口が塞がりませんでしたね(あぜーん)
この人ってお風呂入ったの?
この利用者さんはスタッフにとって、お客様という存在でもなく、『この人』だったのでしょうね。
夜勤スタッフが少ない
夜勤スタッフが少ないのは黄色信号です。
というのもスタッフが少なければ、他人の目が少なくなります。
他人の目が多ければ、虐待をする機会が物理的に減ります。
また、夜勤には体力と気力が必要です。
特に一人夜勤は、急変の対応や認知症の人の対応が重なると、ストレスMAXとなります。
そして、イライラから虐待につながりかねません。
コール連打・・・ピンポーンピンポーン
こっちも呼ばれる。
あっちでも…
あーー!怒
希望としては最低2名以上の夜勤体制がよいのですが、介護人材の不足で、そこまで整備できていない介護施設が多いのも現実です。
スタッフが、おばちゃんばかり
- 勉強しない
- 新しい風を受け入れない
- 『慣れ』と『馴れ』を勘違い
先に一言のべますが、別におばちゃんの存在が悪いわけではありません。
勉強?もうすぐ定年だから、このままでいいよ。
おばちゃんばかりだと、向上心もないし、今の時代の考えについていけてません。
結果、閉鎖的な介護施設になって、虐待も見てみぬふり。
今の時代の介護施設は、地域にオープンです。
ウェルカム、地域住民。
なんなら施設側が地域に溶け込みにいきます。
結果、地域が施設の虐待を見張ることに繋がります。
おばちゃんだけの施設ではとてもこんなエネルギッシュな行動はできません。
なにより、古い考えに馴れてしまって、新しい考えを受け入れることを恐れています。
だからおばちゃんばかり働いている介護施設は危険信号です。
まとめ
介護施設に虐待は存在します。
ただしそれは程度にもより、表沙汰になっているか、なっていないかの話です。
どちらかというと介護施設の内部でも、虐待があっている認識すらないのがほとんどのケースです。
人が人を相手している以上、虐待を完全にゼロにすることは難しい課題です。
虐待を防ぐためにやることは、出来るだけ施設に足を運び、目を光らせておくことです。
しかし、すでに虐待を疑っている場合は、隠しカメラで現場を確認するのも一つの手段だと考えます。