利用者や家族からのクレーム対応マニュアル

介護現場で避けて通れないのが「クレーム対応」です。

どんなに誠実に働いていても、利用者やそのご家族から不満や指摘を受けることはあります。

  • 「説明が不十分だと言われた」
  • 「態度が冷たいと苦情になった」
  • 「人手不足のせいでサービスが遅いと怒られた」

こうしたクレームを放置すると信頼を失い、職場全体の雰囲気も悪化します。

しかし、適切な対応を身につければ、逆に信頼を深めるチャンスにもなります。

この記事では、介護職が現場で実践できる「クレーム対応マニュアル」を解説します。

麦マネ(Twitter)

介護業界で22年目、41歳。ONE PIECEを愛する。
〈 資格 〉
・主任ケアマネ
・社会福祉士
・介護福祉士

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介護現場で多いクレーム事例

介護職員へのクレームは多岐にわたりますが、主なものは以下の通りです。

1. サービスに関する不満

  • ケアが遅い、雑だと言われる
  • 夜間の対応が不十分と感じられる
  • 食事や排泄介助の質に不満を持たれる

2. 職員の態度や言葉遣い

  • ぶっきらぼうに聞こえた
  • 敬語の使い方が不適切だった
  • 表情や声のトーンが冷たく感じられた

3. 施設環境や設備への不満

  • 部屋が寒い・暑い
  • 清掃や整理整頓が不十分
  • 食事の味やメニューに対する不満

4. 費用や契約内容への不透明さ

  • 料金説明がわかりにくい
  • 追加費用の説明不足
  • 契約内容と実際のサービスが異なる

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クレーム対応の基本ステップ

クレーム対応は「初動」が最も重要です。

Step1:傾聴(話を遮らずに聞く)

相手が不満を吐き出すことが第一歩。

  • メモを取りながら最後まで聞く
  • 「そうだったんですね」と共感を示す

Step2:共感と謝罪

「ご不快な思いをさせて申し訳ありません」と伝えることで、相手の怒りは落ち着きやすくなります。

Step3:事実確認

  • どの場面で起こったのか
  • 誰が関わったのか
  • 客観的に整理して再確認する

Step4:改善策の提示

  • 今後の対応をどう変えるかを具体的に示す
  • すぐ改善できるものは即実行
  • 時間がかかる場合は期限を明示する

Step5:フォローアップ

後日「その後いかがですか」と声をかけることで信頼につながります。

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よくあるNG対応

クレーム対応では「やってはいけない行動」も押さえておきましょう。

  1. 言い訳ばかりする
     →「忙しかったので…」は禁句。相手には関係ない事情です。
  2. 他の職員のせいにする
     →責任逃れに見えて、信頼をさらに失います。
  3. 感情的に反論する
     →「そんなことはありません!」と強く否定すると対立が深まるだけです。
  4. その場しのぎで終わらせる
     →一度謝っただけで放置すると「結局改善されていない」と再クレームに発展します。

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上手にエスカレーションする方法

介護士一人で抱え込む必要はありません。

クレームはチームで対応するものです。

1. 上司に早めに共有

  • 小さな不満でも早めに報告
  • 記録を残し、経緯を明確にする

2. 必要に応じて専門職と連携

  • ケアマネジャー
  • 相談員
  • 看護師や医師

それぞれの専門知識を活かすことで、解決の糸口が見つかります。

3. 第三者機関への相談

  • 行政の相談窓口
  • 介護保険の苦情受付センター

外部機関を活用することで、中立的に問題を整理できます。

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まとめ

  • 介護現場のクレームは「必ず起きるもの」
  • 初動で傾聴・共感・謝罪を行い、信頼を保つ
  • NG対応を避け、チームでエスカレーションする
  • それでも改善されない場合は、職場を変える選択肢もあり

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