未経験から介護職に挑戦する方法

「介護の仕事に興味があるけれど、未経験でも大丈夫だろうか?」

私のXのフォロワーさんからも、こんな相談をよくいただきます。

実は介護業界は、他の業種に比べて未経験から始めやすい仕事のひとつです。

厚生労働省の調査でも「介護職員の約4割が未経験スタート」というデータが出ており、現場でも「ゼロから介護職を目指す人」を受け入れる体制が整ってきています。

とはいえ、未経験だからこそ「どんな職場なら入りやすいのか」「資格はどうすればいいのか」「実際に就職するステップは?」といった不安や疑問は尽きないと思います。

この記事では、介護職に未経験から挑戦する方法を、私自身や周囲の仲間の体験も交えながら詳しく解説します。

麦マネ(Twitter)

介護業界で22年目、41歳。ONE PIECEを愛する。
〈 資格 〉
・主任ケアマネ
・社会福祉士
・介護福祉士

介護の仕事と資格について情報発信。

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未経験でも介護士になれるのか?

結論から言うと、介護士は未経験でも十分に働けます

理由1:資格がなくても働ける

「介護職員初任者研修」などの資格はあった方が有利ですが、実際には資格なしでも採用される施設は多いです。

入職後に資格を取ることを前提に雇ってくれる職場もあります。

理由2:研修制度が充実している

  • OJT(現場研修)で先輩がついてくれる
  • 座学や勉強会を用意している施設も多い
  • 大手法人は「資格取得支援制度」を持っていることが多い

理由3:人材不足だからこそ

介護業界は慢性的な人手不足です。

施設としても「未経験者をゼロから育てたい」という意識があります。

実際、私の知人は飲食店から介護に転職しましたが、「接客経験があるならコミュニケーション力が活かせる」と言われて即採用されていました。

未経験OKの職場の特徴

未経験からスタートしやすい職場には、共通の特徴があります。

1. デイサービス

  • 日勤のみで夜勤なし
  • 入浴・食事・レクリエーションなどが中心
  • 比較的体力的な負担が少ない

2. 有料老人ホーム(特に大手)

  • マニュアルや研修が整っている
  • 初任者研修の費用を補助してくれる場合もある
  • 入居者の人数が限られているため、仕事が分担されやすい

3. グループホーム

  • 小規模で家庭的な雰囲気
  • 認知症ケアの経験を積みやすい
  • 未経験者を受け入れる体制がある施設も多い

4. 派遣からのスタート

  • 派遣会社のコーディネーターがサポートしてくれる
  • 条件を選びやすい
  • 「短期で試してみる」という入り方ができる

私のフォロワーさんの中にも、「最初はデイサービスで経験を積んで、慣れてから特養へステップアップした」という人がいます。

働きながら資格を取る方法

未経験から介護職に就くなら、資格取得と並行するのがキャリアアップの近道です。

初任者研修(旧ヘルパー2級)

  • 介護の入門資格
  • 130時間の講座で修了できる
  • 働きながら土日や夜間コースで受講可能

実務者研修

  • より専門的な知識を学べる
  • サービス提供責任者になれる
  • 介護福祉士の受験資格に直結

介護福祉士

  • 国家資格
  • 実務経験3年以上+実務者研修修了が必要
  • キャリアアップ・年収アップに直結

働きながら資格を取るには「資格取得支援制度」がある職場を選ぶのがコツです。受講費用を全額補助してくれる法人もあります。

未経験から介護職に就くステップ

ここでは、未経験者が介護職に就くための流れを整理します。

ステップ1:情報収集

  • 介護職の仕事内容や施設の種類を調べる
  • 自分に合った働き方(夜勤あり/なし、フルタイム/パート)を考える

ステップ2:資格取得 or 勉強開始

  • 初任者研修を受ける or 受講予約をする
  • 同時に求人を探し始めてもOK

ステップ3:求人探し

  • 未経験歓迎の求人を優先的にチェック
  • 派遣や紹介予定派遣を利用するのも有効

ステップ4:応募・面接

ステップ5:入職後の学び

  • OJTで先輩から学ぶ
  • 資格取得支援を活用してキャリアアップ

実際に私の知人は、40代未経験からデイサービスに入り、半年後に初任者研修を修了。今はグループホームで介護福祉士を目指しています。

未経験から介護職に挑戦した人の体験談

30代女性・元販売職

「アパレルで10年働いたあと、祖母の介護をきっかけに介護職に転職しました。最初は不安でしたが、販売で培った“接客力”がすぐに役立ちました。利用者さんとの会話が弾み、先輩からも“コミュニケーション上手だね”と褒めてもらえました。」

👉 他業種の経験も、介護の現場でしっかり活かせます。

40代男性・元ドライバー

「夜勤ができる仕事を探していて、介護の派遣に登録しました。体力的にきつい部分はあるけど、夜勤は時給が高いので、前職より収入が安定しました。資格を取って、今は正社員登用を目指しています。」

👉 体力や時間帯に合わせた働き方ができるのも介護の魅力です。

未経験者がつまずきやすいポイントと解決法

体力面の不安

  • 介護は「腰に負担がかかる」というイメージが強い
  • 実際、最初の数週間は筋肉痛になる人が多い

解決法

  • ボディメカニクス(体の使い方)を学ぶ
  • 腰痛ベルトを活用する
  • 利用者さんを一人で抱え込まず、リフトや先輩の手を借りる

精神面のプレッシャー

  • 認知症の利用者さんにきつい言葉をかけられることもある
  • 最初は「自分が嫌われているのでは?」と落ち込む人も多い

解決法

  • 先輩に相談して「よくあること」と共有する
  • 気持ちを切り替える方法(メモに書く・仲間と話す)を持つ
  • 「一人で抱え込まない」ことが大事

資格勉強の両立

  • 仕事しながら勉強するのは大変
  • 特に子育て世代は「勉強時間が取れない」と悩む

解決法

  • 通勤時間にテキストを読む
  • スマホで動画教材を利用する
  • 家族に協力してもらい、試験前は勉強時間を確保する

未経験からキャリアを積む具体例

ステップアップ例①:20代女性の場合

  1. デイサービスで未経験入職
  2. 半年後に初任者研修を修了
  3. 2年目で実務者研修を受講
  4. 3年目に介護福祉士を取得
    → 今ではリーダー職として新人指導を担当

ステップアップ例②:50代男性の場合

  1. 子育てが一段落してから訪問介護に挑戦
  2. 時短勤務で無理なく働く
  3. 実務経験を積みながら、介護福祉士を受験
    → 60歳を超えても現役で働き続けている

未経験者におすすめの行動チェックリスト

  • □ 自分が夜勤可能か、体力的にどうかを考えておく
  • □ 初任者研修を取る意思があるか確認する
  • □ 未経験歓迎の求人に応募する
  • □ 面接で「学ぶ姿勢」をアピールする
  • □ 入職後は“まずやってみる”精神で飛び込む

まとめ

介護職は未経験からでも挑戦できる門戸が広い仕事です。

  • 資格がなくても採用されやすい
  • 未経験歓迎の職場が多い
  • 働きながら資格取得できる制度が整っている

大事なのは「最初の一歩を踏み出す勇気」と「学び続ける姿勢」です。

👉 未経験から安心して介護職を始めたい方には、こちらの記事も参考にしてください。