介護現場で避けて通れないのが「クレーム対応」です。
どんなに誠実に働いていても、利用者やそのご家族から不満や指摘を受けることはあります。
- 「説明が不十分だと言われた」
- 「態度が冷たいと苦情になった」
- 「人手不足のせいでサービスが遅いと怒られた」
こうしたクレームを放置すると信頼を失い、職場全体の雰囲気も悪化します。
しかし、適切な対応を身につければ、逆に信頼を深めるチャンスにもなります。
この記事では、介護職が現場で実践できる「クレーム対応マニュアル」を解説します。
介護現場で多いクレーム事例
介護職員へのクレームは多岐にわたりますが、主なものは以下の通りです。
1. サービスに関する不満
- ケアが遅い、雑だと言われる
- 夜間の対応が不十分と感じられる
- 食事や排泄介助の質に不満を持たれる
2. 職員の態度や言葉遣い
- ぶっきらぼうに聞こえた
- 敬語の使い方が不適切だった
- 表情や声のトーンが冷たく感じられた
3. 施設環境や設備への不満
- 部屋が寒い・暑い
- 清掃や整理整頓が不十分
- 食事の味やメニューに対する不満
4. 費用や契約内容への不透明さ
- 料金説明がわかりにくい
- 追加費用の説明不足
- 契約内容と実際のサービスが異なる
👉 介護施設の種類別働き方比較(サービス水準の違いを理解するのに役立ちます)
クレーム対応の基本ステップ
クレーム対応は「初動」が最も重要です。
Step1:傾聴(話を遮らずに聞く)
相手が不満を吐き出すことが第一歩。
- メモを取りながら最後まで聞く
- 「そうだったんですね」と共感を示す
Step2:共感と謝罪
「ご不快な思いをさせて申し訳ありません」と伝えることで、相手の怒りは落ち着きやすくなります。
Step3:事実確認
- どの場面で起こったのか
- 誰が関わったのか
- 客観的に整理して再確認する
Step4:改善策の提示
- 今後の対応をどう変えるかを具体的に示す
- すぐ改善できるものは即実行
- 時間がかかる場合は期限を明示する
Step5:フォローアップ
後日「その後いかがですか」と声をかけることで信頼につながります。
よくあるNG対応
クレーム対応では「やってはいけない行動」も押さえておきましょう。
- 言い訳ばかりする
→「忙しかったので…」は禁句。相手には関係ない事情です。 - 他の職員のせいにする
→責任逃れに見えて、信頼をさらに失います。 - 感情的に反論する
→「そんなことはありません!」と強く否定すると対立が深まるだけです。 - その場しのぎで終わらせる
→一度謝っただけで放置すると「結局改善されていない」と再クレームに発展します。
上手にエスカレーションする方法
介護士一人で抱え込む必要はありません。
クレームはチームで対応するものです。
1. 上司に早めに共有
- 小さな不満でも早めに報告
- 記録を残し、経緯を明確にする
2. 必要に応じて専門職と連携
- ケアマネジャー
- 相談員
- 看護師や医師
それぞれの専門知識を活かすことで、解決の糸口が見つかります。
3. 第三者機関への相談
- 行政の相談窓口
- 介護保険の苦情受付センター
外部機関を活用することで、中立的に問題を整理できます。
まとめ
- 介護現場のクレームは「必ず起きるもの」
- 初動で傾聴・共感・謝罪を行い、信頼を保つ
- NG対応を避け、チームでエスカレーションする
- それでも改善されない場合は、職場を変える選択肢もあり
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